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#066 個性が無いのは善か悪か?

はじめに


「個性が無い」、「もっと個性的に生きたい」、よく聞くフレーズです。

 

私のように個性の塊、もう個性が皮膚と洋服を着て歩いている人間にとって、この悩みは難しい相談だ。

 

 

個性とは人様々である。

 

それこそ、夏が嫌いだったり、セロリが好きだったり・・・。

 

 

では、はたして個性が無いのは良くないのか?

 

個性があった方が良いのか?

 

 

 

この事について、相談があったので話をしたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

個性が無いと嘆く中堅社員


 

ある会社の中堅社員の方が、ある日私に相談してきました。

 

「これからは、個性が大事な時代だと聞きました。実際に社内でも、出世していくためには、何かしらの個性を出して、周りから認められる事が重要だと、人事考課の面接の際にも言われました。一体どうしたら周りに認められる個性を作れるのでしょうか?」

 

うん、実に困った。

 

 

 

本人は、「個性が無い」と悩んでいるのだが、実際にはその人の固有名詞(名前)があるし、その名前で呼ばれたら、隣の鈴木さんが振り向くわけでは無いのだから、個性はあるはずなのだ。

 

 

どうやら彼は、数年以内に係長から課長へと昇進することが、ほぼ確実らしく、この数年内に部下に尊敬されるような個性を身につけたいと言うのだ。

 

 

 

そこで私は尋ねた。

「個性が無い事は、はたして悪い事なんでしょうか?」

 

すると彼は

「いや、だから!部下を従えていくような立派な個性が必要でしょ!じゃないと私なんかには、誰も付いてきてくれませんよ!」

 

 

 

・・・う~ん。

 

「誰も付いてきてくれない」のも個性のような気がするのだが、彼はどうやら周りに尊敬されたいようだ。

 

 

 

そこで私は言った。

 

「今からが、遅いか早いか分かりませんが、個性なんて作っちゃいましょう!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

個性なんて気持ち次第で、どうにでもなる


 

具体的に個性を作っていくのは難しくない。

 

何かを始めれば良いからだ。

それが目立つ事なら、尚更良いと思う。

 

 

例えば

 

・誰よりも早く挨拶する、挨拶ボルト(人類最速)

 

・ちょっとの変化を見逃さない、Mr間違い探し

 

・とにかく冷たい男、まだ4時なのに時間大丈夫?と聞く男

 

 

など、何でも探してやってみたら、とにかく目立つ。

 

 

目立つ事を継続してやれば、それは個性になる。

 

これでいいのだ。

 

 

個性が欲しいという人間は、周りの目を気にしてはいけない。

 

そこで私は、自分のキャリーケース(ちょうど出張続きであったため)のネームプレートを見せた。

 

 

 

※メイちゃんのネームプレートに(竹之内 豊 2代目)と記載

 

 

個性なんて、これはコレで良いのだ。

なぜなら、絶対に誰も間違わない。

 

もし空港で、自分の手荷物と間違えて取ってしまったとしても、竹野内豊(2代目※少し漢字は変えてある)がココに居るかもしれないと思って、間違った荷物を届けようと探してくれるのだ。

 

 

きっと探している人は、「竹野内豊はメイちゃん派かぁ~、可愛いトコあるなぁw」と期待して探すに違いない。

 

 

それが私にたどり着くか、は分からないが・・・。

 

 

私が言いたいのは、個性なんて作るのは簡単だ!

という事だ。

 

 

※実は、実際に空港で「竹之内豊様~」とアナウンスで呼び出されて、大変な目にあったのは内緒の話。

 

 

 

 

 

 

結局、いい人で居たい


 

色々な提案をしたが、彼は「う~ん」とか「はぁ~」とか繰り返すばかりで、個性的なものは全て拒否した。

 

 

よくよく聞いてみると結局のところ、「いい人」として部下に慕われたい、という事が分かった。

 

 

 

そこで、部下と今現在は、どのような関係か?

を聞いてみた。

 

「それが・・・恥ずかしながら、あまり相手にされてないんですよ・・・。無視とまでは行かないですけど。。。」

 

 

 

うむ、やはりそうだったか。

 

「テールランプを5回は、ア、イ、シ、テ、ルのサイン」

 

「1回も無いのは、不快のサイン」

・・・らしい。

 

 

 

これでは個性的になっても、1回もテールランプは光らないだろう。

 

個性を作るのは、その後だ。

 

 

 

そこで私は、まずはコミュ力を付ける事を提案した。

 

 

そう、電車に乗ってみると分かる。

 

人々は目の前の他人よりも、ソーシャルネットワークの中の友人の方が重要なのだ。

 

 

 

そのコミュ力を付ける内容は別の機会に記事にする事にするが、結局、自分のネームプレートを晒して、恥をかいただけの日だった。

 

 

 

ネームプレートを見た彼の反応は、こうだ!

 

「・・・あ、うん。・・・いやぁ、ハハ・・アハハハ。・・・ふぅ。」

 

 

おわり。